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花の巻    4 [アート・文化]







  裸婦              







パイプをくゆらせながら



画家はカンバスに



一本の線を横に引いた



それが水平線になった







水平線から日が昇ると



画家はカタツムリを



水平線に這わせた







カタツムリはゆっくりと



渦巻き状の貝殻を脱いで



裸の女になると



水平線に横たわった







脱ぎ捨てられた貝殻は



みるみる入道雲になり



稲光が空を走った







女の乳房に



画家がナメクジを描くと



女が身もだえ



雨が降ってきた







波打ち際では



波と戯れていたカニが



海にさらわれて



ヨットが転覆した







画家は描くのをやめ



パイプをかみしめながら



自慰にふけった


































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コメント 2

kazu

この詩はすっと空想の世界に入り込めますね。同じような文体で自分も一本水平線を引いて、自分の想像の世界を描いてみたくなりました。自慰に至るのかもっと深みに入り込むのか。(^^ゞ
by kazu (2008-02-24 11:24) 

豊さん

kazuさん
コメント、ありがとうございます。
自己陶酔の彼方に見えるものが詩ではないかと思っています。
by 豊さん (2008-02-25 00:03) 

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