風の巻 5 [現代詩]
風は冷たくないか
オヤジ元気か
七十五歳のオヤジにとって
風は冷たくないか
オヤジ安心してくれ
オレが三十歳で死を選んだのは
正解だった
あれから七年が経過したが
オレは永遠を手に入れ
三十歳のまま年を取らずに死を生きている
オヤジ元気か
酒を飲むことで、生を
生きているオヤジをオレは尊敬している
オヤジ風が冷たくとも
寿命が縮まるような
酒の飲み方だけはしないでくれ
オヤジ百歳までは
生きるよう、歳なんだから
上手に酒を飲んでくれ
オヤジ、オレは待っている
天寿を全うした
オヤジに会えるのを
そして千年も万年も
そんなオヤジと共に
オレは生きたい
コメント 0