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風の巻  8 [現代詩]

       風に聞いてくれ



何故かは、風に聞いてくれ
とにかく、十三夜
石女は児を身ごもった

何故かは、風に聞いてくれ
満月の夜、石女が児を産んだ

(石女は、差別的な言葉ですが、
石女の年は?誰の子を身ごもった?
という俗なことは、風に効かないでくれ)

石女の産んだ児は
五体満足であったが
喜怒哀楽のない児であった

何故かは、風に聞いてくれ
石女は児を産むと
仏になった

そして、十六夜
石女の産んだ児も
仏になった

何故、仏になったかは
風に聞かなくとも
自明の理

問題は十四夜
石女はその日何をしていたか
誰か知っていたら教えておくれ


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